(見つけ方)
冬半ばの南の空で、頭の上に輝いている赤い星が、おうし座のα星で1等星のアルデバランです。
星座絵によると、このアルデバランは牛の右目にあたります。
アルデバランのまわりには、淡い星ぼしが連なってVの字を描いています。
この星の群れはヒアデス星団という散開星団で、牛の顔を表わします。
このかたまりからV字の方向へ星の連らなりを延ばすと、ふたご座のカストルの足元近くにある3等星と、ぎょしゃ座の五角形の星にとどきます。
この2つの星が、牛の角を表わしています。
(歴史など)
バビロニア時代にはすでに牡牛の星座が設定されていたほど、歴史のある星座です。
また、ギリシャ時代には、アルデバランは「牛の目」とよばれ、プレアデス星団は“プレアデス”として独立した1つの星座でした。
このおうし座とプレアデス座はプトレマイオスの48星座に含まれています。
黄道12星座の第2座。
ギリシャ神話によると、この牛は、フェニキアの王女エウロパをさらうためにゼウスが変身した姿であるとされています。
牛になったゼウスはエウロパを背中に乗せて海を渡り、クレタ島へ行ったと伝えられています。
なお、エウロパはヨーロッパの語源です。
また、ギリシャ神話では、プレアデス星団とヒアデス星団は、どちらも姉妹と見られています。
詩人ヘシオドスは「仕事と日々」という詩の中で、プレアデス星団を「農業の季節を知らせる星」といっています。
< この星座にあるおもな天体 >
αアルデバラン
βエルナト
θ
HL76星
ヒアデス星団(Mel25)
ヒンド星雲
メローペ星雲
おうし座暗黒星雲
M1
M45